そこは、
2019年2月
モロッコのサフィにて、旅を続けているサーファーにおしえてもらった。

彼らはこう言った。
ここから5時間ほど南下するとイムスワンという漁村がある。世界一美しい波が割れている。
人も少なくて小さなコミューンがある。ロングボーダーには天国さ。

彼らが見せてくれたGoogle mapを見るとたしかに新月のように完璧な美しい湾。そしてそこにはimsouaneという文字が記されていた。
ん?読めない。。

すぐにその地図をスマホで撮った。

当時、そんな漁村の名前もポイント聞いたこともなかった。どちらかというとアガディールらへんを頭の中に航空写真でもあるかのようにくまなく調べていた。
この出会いがなければ、新月のような湾に行く事はなかっただろう。

旅を共にするパートナーと疑心暗鬼で南へ南へ車を走らせた。

深く曲がりくねった渓谷を下っていく。対向車が見えないほどの道に手汗がにじむ。

そしてやっとの想いでたどり着いたそこには、この世とは思えないほどの景色が広がっていた。

極端に湾曲した地形は外海の波を完璧にシェイプし、、800メートル以上乗れる波。
そう、いうまでもなく世界で一番美しい波だ。

2024年2月
そんな思い出を振り返りながら
イムスワンに住んでいる1人の女性と連絡をとっていた。彼女はsalmaといい、シンガーソングライター、そして絵を描く女性だった。
彼女とはもともとmariawetsuitを通して知り合っていた。
イムスワンにまた来たら一緒にサーフィンしようと約束をした。

今回日本から持ってきたのは
「ANDREINI vaquero 」
このパーフェクトなロングウォールには直線的な部分が長くとられたアウトラインのこの板がフィットするはず。Hull bottomも存分に味わえそう。

初めてのSalmaと会ったとき、彼女からpassionの強さを感じた。
自分の考えをしっかり言葉に出来ている。
しっかりとゴール設定があり意思決定を人に任せないタイプだ!
仕事がやりやすい!!
私は嬉しくなった。

今回は大西洋で大きなストームが発生しており、前回よりサイズもパワーも確実にある。
私はこの旅のディレクターであり責任者でもある。
自分のレベル他の人のレベルを考慮した上で無理しない程度でミドルくらいから小さめを狙おうと決めた。





パドルでは到底もどれないほどの距離とヘビーカレント。
岸を800メートルほど歩いてまたそこからゲットする。やっとゲット出来てもカレントが強く波待ちでポジショニングを維持することがこれほど難しいとは。

波を捉えれれば、時空を超える瞬間を味わえる。一日3本乗ったらもう足がガクガクになる。

普段は水中photographerをしている人たちも
ジェットスキーに乗って撮影するくらいのパワーのある波。
そんな中 nachosだけが水中からサーファーを取り続けていた。
彼女からはいつも根性と度胸、覚悟の強さの大切さを学んでいる。
感謝でしかない。

ポイントの崖の上のアパートメントを借りた。





窓から外を覗くと、ロバや犬達が何にも繋がれることなく、自由に生きている。その先には絵の具のような濃い水色の長いうねりが見える。

mariawetsuitの撮影はSalmaが働いているサーファー向けの小さなホテル WAVEGO Moroccoにて行った。











海から徒歩で少し歩くが
砂漠の中のオアシスのような雰囲気がある。

前に訪れた時のイムスアンが放つ空気そのものがある。





昔来た時にお世話になった宿、モロッコらしい活気に満ちたカフェはなくなり、仲良くなったモロッコの友人ももう居なかった。
ラグジュアリーなホテルやレストランが増えていて、海辺にはまた新たなホテルが建設されている。

かつて幻のようなポイントだったイムスアンは、
アフリカ大陸で1番長く乗れる波として有名になりこれからももっともっと沢山の人に知られていき、旅人を受け入れていくのでしょう。

時代の急速な流れと時空を越えるかのような波を全身で感じきった日々だった。

edit isuzu murakami
photo nachos

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